やってはいけないこと、があります。
具体的にはどういうことかと言うと。
一般的には「怒ってはいけない」といいます。
とはいっても、怒らないことが難しいのですが・・・
私は、怒ってしまうのはしょうがないと思います。
怒らない対応など、よほど人間ができた人でない限りできません。
僧侶のレベルですね。
と言うことで
やってはいけないのは「怒ること」ではないと感じるのです。
本当にやってはいけないのはなにか。
怒ってしまったことや、相手が反発してきたことに対して
自分を正当化してしまうことです。
どういうことかと言うと。
自分の対応は間違っていないと信じてしまうこと。
認知症の人の言動を頭がおかしいとか性格が悪いなどと言ってしまうこと。
だから自分は正しい!
自分は悪くない、相手がおかしいから不幸になるんだという考え方です。
介護者がこの考え方をしていると
認知症の本人も、介護者本人も、サポートをしてくれる人も
みんなが嫌な気持ちになり、みんなが不幸になります。
認知症の人がいるから不幸になったのではなく
自分の気持ちの持ち方が不幸を招くのだと思います。
介護が不幸だと思い「なんで自分が」と思っている人も
うまく介護をしている人も介護が大変な事は変わりません。
介護のつらさをよりつらくしてしまうのは自分なのかもしれないと思います。
それでは、やってはいけないことは何なのか。
怒ってしまったら本当にダメなのか。
を考えてみます。
どうしても我慢できずに怒ってしまうことがあります。
怒ってしまうときは、思いっきり怒っていいと思います
手を出したり、誹謗中傷は分別のある大人として怒ることの
中には入りませんが
時には我慢ばかりではなく、しっかり怒って
その後に「言い過ぎたかな」と思うことが大切です。
すると次の対応では、少し優しい気持ちで接することができます。
優しい気持ちで接すると、認知症の人の気持ちも落ち着いたものになり
「あれ?いつもより言う事聞いてくれるな」という発見があります
それが、好循環のきっかけになります。
もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
しかし、自分の気持ちの持ち方を変えることで
明らかに、認知症の人の態度や症状に影響してきます。
ブログには、認知症の家族に対して「バカ」とか「変人」とか
「むかつく」とか自分の気持ちの思うままに記事を書いている方もいます。
それで本人がストレスの解消になっているのなら、別にかまいません。
しかし・・・
そのブログを目にした人が「私も」と共感して同じような気持ちになってしまうのが
良くないです。
イライラする気持ちは「わかるな」と思いながらも
でも認知症は病気で、おかしな言動はその症状であって
決して「バカ」でも「変人」でもないんだけど、と思い直すことが良いのです。
認知症介護でやってはいけないことはなにか。
怒ってもいい、しかし、怒った自分を正当化することはやってはいけないと
思います。
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